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大阪駅名の謎 3 淀屋橋駅

大阪は「水の都」であり、「浪華の八百八橋」と言われるほど橋が多いです。現在でも多くの名橋が残っていて、それぞれがとても美しいわけですが、その中でもこの駅の由来となっている淀屋橋は断トツの人気を誇っています。

淀屋橋駅は、江戸初期から中期にかけての大坂の豪商、淀屋によってかけられたと言われています。この橋がかかる土佐堀川は大坂の台所のようなところで、多くの物資を運び込んでいたが、その必要性から橋をかけたと予想されています。

淀屋は材木商から始まったが、やがて全国の蔵元をつとめ、巨額の富を蓄えました。ところが、それが行き過ぎたのか、五代目淀屋辰五郎の時代に、幕府から闕所(けつしょ)処分を受けて断絶してしまいました。闕所処分とは、刑罰の一種で、掟を破った者に、はりつけ・火罪・死罪・追放などの処分をしたうえで、さらに地所・財産を没収することを意味しています。

淀屋がどのような掟を破ったのかと言うと、幕府が出した「奢侈禁止政策」に触れたことだと言われてています。豪商だったがうえに湯水のようにお金を使ってしまい、このことが当時の世の風紀を乱すという判断を受けたものだということです。

この淀屋橋界隈で知っておいて欲しいのは、「適塾」になります。これは幕末に緒方洪庵が開いた塾で、長州萩の「松下村塾」と並び称される名門塾でした。福沢諭吉や大村益次郎など明治維新に向けて活躍した人物を多く輩出しています。
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